急にエサや水の摂取量が増える、お腹が膨れる、胴体の毛が左右対称に抜ける、愛犬にそのような症状がある場合、もしかしたら『クッシング症候群』の可能性があります。

高齢犬に比較的こよく見られる病気である”犬のクッシング症候群”ではありますが、もし特徴的な犬のクッシング症候群の症状が現れていても知らずに見逃してしまっては、早期発見・早期治療が出来ません。

そこで、今回は『犬のクッシング症候群』についてお話したいと思います。

クッシング症候群とは?

クッシング症候群とは、副腎皮質ホルモン(ふくじんひしつほるもん)の過剰分泌によって引き起こされる症状をいい、副腎皮質機能亢進症(ふくじんひしつきのうこうしんしょう)とも呼ばれます。

クッシング症候群は、犬のホルモン異常が引き起こす病気です。

クッシング症候群には、全体の内の0.1~0.2%(1,000頭中1~2頭)が罹患すると推定されており、クッシング症候群にかかりやすい犬種は、プードルダックスフンドポメラニアンボクサーボストンテリアなどで 6~12の高齢犬に頻繁に発症します。

脳の下垂体から分泌されるACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の影響により、腎臓の上部にある副腎からは『コルチゾール』というホルモンが分泌されています。

コルチゾールは、ストレスに対して分泌が促進されるため『ストレスホルモン』と呼ばれています。

コルチゾールは、抗ストレス作用糖新生の促進血糖値の上昇脂肪分解促進抗炎症作用免疫抑制作用などの働きがあり、生命を維持する上で欠かすことはできません。

犬のクッシング症候群は、何らかの影響によりこの生命を維持するために必要不可欠なコルチゾールが分泌過剰になることで発症し、その原因は、脳の下垂体または、副腎に腫瘍が出来てしまうためとされています。

犬のクッシング症候群の原因箇所は、8割以上が脳の下垂体と言われています。

 

クッシング症候群の症状は?

では、クッシング症候群の症状は一体どのようなものがあるのでしょうか?

①水をたくさん飲む
②えさをたくさん食べる
③おしっこの量や回数が増える
④おなかがふくれる
⑤毛づやが悪くなる
⑥胴体が左右対称に脱毛する
⑦筋肉が萎縮する

 

上記の症状の他に、遊びや運動をしたがらない、皮膚が薄くなったり、黒ずんだり、脂っぽくなったりするなどの症状も見られます。
クッシング症候群が進行してくると、徐々にに活気・元気が無くなり、常に横になっている症状が見られるようにもなります。

また、糖尿病を併発したり、免疫が低下するため、尿路感染や皮膚炎などの感染症を引き起こしたりということもあります。

 

クッシング症候群の治療は?

クッシング症候群の診断においては、『尿検査でコルチゾール:クレアチニン比が上昇』、『低用量デキサメタゾン抑制試験で注射後8時間で抑制がない』、『ACTH刺激試験で正常値より大きな反応が出る』といった指標が用いられます。

クッシング症候群の治療では、腫瘍が原因であれば外科手術、外科手術により腫瘍を取り除くことが難しければ、放射線治療が選択されることが多いです。

また、クッシング症候群に対しての治療ではミトタンプレドニゾンを用いた投薬を行うこともあります。

 

クッシング症候群は、進行すると犬の免疫力が低下することもあり、早期発見・早期治療が鉄則です。

中~高齢になっている場合は、愛犬のSOSを見逃さない様に注意しましょう。

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