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前回は、犬の目・耳・爪・肛門のケアとシャンプーの仕方について】をテーマにお話しさせていただきました。

犬は、人と同じように言葉を話すことができませんが、体の不調が悪いときはあらゆる形のSOSで飼い主に訴えています。

消化器系の病気では、嘔吐と下痢が大きな特徴です。

実際、愛犬の嘔吐が原因で動物病院に連れて行く飼い主さんは少なくありませんし、急な嘔吐に驚いてしまいパニックになる飼い主さんが多いです。

そこで今回は、嘔吐の原因と治療・対応についてご紹介したいと思います。




犬の嘔吐とその原因は?

嘔吐とは、胃の内容物を口から吐き出す働きや現象をいいます。

『胃の内容物を口から働き』と表現したのは、嘔吐は消化管内の有害物質を体の外に吐き出す、生体の重要な防御反応だからです。

例えば、人間でも食べ物以外を飲み込んだり、食中毒物質や毒物を誤って飲み込んだ場合、体の防御機能が働き、体外に排出するために”嘔吐”が起こります。

基本的には、『嘔吐=胃腸の病気』とすぐに考えるのではなく、口から本来口にしてはいけないものを取り込んだ可能性があります。

そのため、愛犬を動物病院に連れていって、『急に吐きました、お願いします!何とかしてください!』と獣医の元にいくと、ほとんどの場合、吐いた以前の行動や食事、吐いたときの様子を聞かれるはずです。

一般的には、吐く前には前兆があり、よだれの増加や口をクチャクチャしたり、そわそわしたりなどの行動があります。

犬の嘔吐の原因と治療mdalmuld

 

犬が嘔吐した場合の治療と対応は?

一言で『嘔吐』といっても、一回だけ嘔吐し、その後元気になっていく場合や複数回嘔吐があり徐々に犬の状態が明らかに悪くなるものまで様々です。

犬が嘔吐した場合は、絶食と断水が基本的な治療になります。

元気な犬は24時間、あまり元気が無い犬は半日の12時間絶食、断水をし様子をみます。

もし、脱水が心配であれば少量の水分を与える場合もありますが、断食と断水で症状が治まり元気になる場合であれば、そこまで心配する必要はありません。

しかし、嘔吐の後に元気が無くなった場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

また、大型犬では食事のスピードが早い子が多く、エサと水を大量に胃に送ること、胃の中でガスが発酵してしまい、胃拡張捻転を起こす場合がありますので注意しましょう。(これらの病気はカルシウムの過剰摂取との関連が示唆されていますので、与えすぎには注意しましょう)

嘔吐の対応
〇嘔吐がみられた日の食事は硬いものや、高脂肪のものは避け、柔らかいものや流動状のものにしましょう。もし、翌日になって犬が元気にしているようであれば、普通の食事に戻して大丈夫です。

〇食事後8~12時間が経過しているのにも関わらず、食べた物を嘔吐した場合には、胃の運動性の低下を起こしていると考えられますので、動物病院で診てもらいましょう。

〇嘔吐物に黒い粒が混じっていたり赤い場合には、胃の中で出血している可能性があり、緊急性が高いことがありますので動物病院で診てもらいましょう。

〇犬の調子が悪い場合は、体を横にしたままで嘔吐すると、吐物が気管から肺に入り、誤嚥性肺炎を起こすことがあるので、注意が必要です。

では、次は急性嘔吐慢性嘔吐について、それぞれみていきましょう。

嘔吐の治療と対応e_haya

 

急性嘔吐・慢性嘔吐とは?

嘔吐には、『急性嘔吐』と『慢性嘔吐』があることをご存じですか?

急性嘔吐:嘔吐がみられる期間が、3日以内の場合は『急性の嘔吐』に分類されます。

急性嘔吐の原因は数多くあることはお分かりいただけたと思います。

食事を急に食べ過ぎた場合や、いつもと違う食事を食べた場合、異物を飲み込んだ、感染症や薬物や医療品の誤飲などは急性嘔吐の原因になります。

急性胃腸炎、胃拡張捻転、急性膵炎など自然に体の中で発症する病気も多くありますが、胃閉塞や胃拡張捻転などは緊急手術が必要なこともあります。

 

慢性嘔吐:嘔吐が3日以上続く場合は、『慢性嘔吐』になります。

慢性の嘔吐は自然にはなかなか治らない病気が隠れている場合が多く、『最近、よく嘔吐しているな~。大丈夫かな?』と思うときは、元気で食欲がある場合でも動物病院で検査を行うことが勧められます。

慢性嘔吐の場合は、脱水を起こしていることがあるため、嘔吐し出したら一度体重を測っておきましょう。

嘔吐が長引き、体重が減っているようであれば脱水の可能性が非常に高いです。

慢性嘔吐は、急性嘔吐に比べ原因が多岐にわたり、原因をはっきりさせる場合には多くの検査が必要になります。

 

『嘔吐』と『吐出』の違いは?

また、『嘔吐』のように見えても、食堂の内容物が逆流して吐き出される『吐出』というものがあります。

『嘔吐』と『吐出』では、その原因や検査・治療が異なるため、これらを区別する必要があります。

吐く様子から嘔吐と吐出を区別することは難しいですが、吐出では嘔吐のように吐く前に腹部の収縮や腹壁に力が入ったりすることがありません。

吐出は、食堂の問題から生じることがほとんどとされており、特に小型犬では異物、骨の塊、ガムなどが食道にたまり、食道の閉塞を起こすことがあります。

また、加熱した食事を急いで食べたり、化学薬品や医療品などを誤って口にして食道が炎症を起こした場合などに見られます。

明らかに吐出が続いている場合、食べたものから栄養を吸収できていないことがあり、脱水や栄養失調になることがあります。

また、誤嚥性肺炎にかかる可能性もあり、命に関わることもあるので、吐出が続いている場合は、早急に動物病院で診てもらいましょう。

嘔吐と吐出の違いとは?Luke,Ma

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