一昔前は、『雑種』という名前は、ステータス的に純血種に比べ劣っているという認識がありました。

それは、価格にも反映されており、純血種よりも雑種の値段の方が圧倒的に安く、その価値の違いが一見して分かりました。

しかし、最近はどうでしょう?

雑種』は『ミックス犬』と言いかえられ、人気が急上昇し場合によっては純血種よりも高値がついていることも珍しくありません。

ちなみに、アメリカでミックス犬のブームの発端のとなった犬種は、『パグ』と『ビーグル』のミックス犬である『パグル』です。

パグル


☑️なぜミックス犬は人気がある?

➡実は、現在『純血種』と言われている犬種も元々は、色々な犬種を掛け合わせて誕生したミックス犬なのです。

その理由は、『犬種の欠点を補うため』なのですが、数多くの犬種が安定した個体を維持できるようになり、それが現在『純血種』と言われるようになりました。

しかし、最近話題に挙がっている『ミックス犬』は、別々の純血種を掛け合わせることにより、一匹一匹にそれぞれ独特のビジュアルを持たせた犬になります。

人間で言えば、ハーフですね。

もちろん、別々の犬種を掛け合わせることで欠点を補うこともできますが、それ以上に2種類の犬種の特徴が一匹の中に入っているという何とも言えない可愛さがミックス犬の人気爆発につながったと言えます。

ちなみに、ミックス犬というのは正式名称ではありません。

ブリーダーやペットショップにおいては、ハーフ犬、ハイブリッド犬、F1なんて呼ばれていたりもします。

※当サイトは、ミックス犬と呼んでいます。

異なる犬種同士の両親から生まれるミックス犬は、父と母の両方の性質を受け継ぐ可能性がありますが、個体によって受け継ぐ性質が異なるため、見た目も性格もオンリーワンになるのが大きな特徴だと思います。

 

☑️ミックス犬のメリット

ミックス犬のメリットについてはいくつかあります。

先述した通り、まずはその独特の可愛さではないでしょうか?

独特の可愛さ

➡JKC(ジャパンケネルクラブ)やAKC(アメリカンケネルクラブ)に登録されている『純血種』の数は決まっていますので、犬を飼う場合は、通常その『純血種』の中から選択しなければなりません。

しかし、ミックス犬が世に出たことにより、自分がそのとき一目ぼれしたルックスを持つミックス犬を購入する、という選択肢が増えました。

もちろん『純血種』の中にも多少、ルックスに違いはありますが、ミックスのそれには及びません。

また、買いたい犬種が2種類あるけど、一匹しか買えない場合は、その2種類のミックス犬であれば一匹で2度可愛いということにもなり、満足感は純血種よりも上がるのではないでしょうか?


遺伝的疾患にかかる可能性が低くなる

➡近親同士で交配したり、乱繁殖させられた純血種は遺伝的疾患にかかる確率が高いと言われています。

元々、犬種ごとにかかりやすい遺伝的疾患というものがあるのですが、別々の純血種同士を掛け合わせる『ミックス犬』の場合、それぞれの遺伝子を持たないため、遺伝的疾患にかかる確率が大幅に下がるという大きなメリットがあります。


雑種強勢で生命力アップ

➡これは、犬に限ったことではないのですが種類の違う純血種を掛け合わせることで、その子供は自分の親の能力を上回る能力が備わるとされています。

これを『雑種強勢』といいます。

つまり、掛け合わせることで弱点が克服され、利点が掛け合わされるということになります。

そのため、ミックス次第ではお互いの身体的欠点、性格的欠点、遺伝的欠点などを克服することができます。

 

☑️ミックス犬のデメリット

実はミックス犬にもデメリットもあります。

子犬から成犬になったときの予想がしづらい

➡ミックス犬は、その独特の外見が可愛いのですが、成犬になったときに残念な方向に変わってしまうこともあります。

ルックス、毛色、サイズなどの予想が出来ない分、慎重に購入した方が良いでしょう。


血統書が無い

➡ミックス犬には、基本的に血統書がありません。

JKC(ジャパンケネルクラブ)や保存会などのように特定の公認犬種の血統書というのが発行できないからです。

ただし、中には両親犬の血統の書類があるミックス犬の血統書を独自に発行して「血統書付きのミックス犬」としているブリーダーもいますので、その場合はしっかり購入時確認しましょう


遺伝子の特徴が個体によって差が大きい

➡これは、ミックス犬である以上仕方がないデメリットです。

デメリット①の『子犬から成犬になったときの予想がしづらい』と同様、その遺伝子ごと、ミックスごとに誤差が出てしまい、『同じ犬種のミックス犬なのに、友達のミックス犬の方が小さくて可愛い』などのように個体差が大きく出てしまうことがあります。

 

純血種のように飼い方のマニュアルが無い

➡通常、純血種であればその犬種の特徴や性格、運動量などの飼い方のマニュアルが存在します。

しかし、ミックス犬であれば、それらのマニュアルが存在しないため、どのように育てれば良いかが分からないということになります。

また、2種類の犬種の内、どちらの犬種遺伝子が優位でどちらが劣位かも分からないため、性格の把握やしつけ方法などにも苦労する可能性があります。

もちろん、マニュアルがあればそれ通りに育つかと言われればそうではありませんが。

しかし、実際、育ててみないとどのような犬になるかも分からないため、犬を飼ったことが無い方や初心者の方には不向きかもしれません。

ミックス犬は、とても可愛く他にはない魅力や大きなメリットがたくさんあるのと同時にいくつかのデメリットと向き合わなければならないことを頭に入れておきましょう。

 

☑️ミックス犬の寿命は延びる?

日本でよく見られるミックスが日本犬系です。

これは、日本犬と呼ばれる秋田、甲斐、紀州、紫、四国、北海道の6種類のいずれかの血を引きます。

日本犬の特徴としては大きさ中型から大型サイズぐらい、立ち耳、巻き尾となる傾向が強く、性質としては独立心、警戒心が強く信頼した人間にはとても懐く特徴があります。

先述したように、そもそもミックス犬は遺伝的に純血種である親よりも病気になりにくいとされ、雑種強勢によって病気にかかりにくく、その結果純血種特有の遺伝的な病気もミックス犬では発現率が低くなると言われています。

ギネス公認の最長寿記録の歴代犬の中には、柴と雑種犬の間に生まれた日本系ミックス犬のプースケ君がいます。

柴犬の平均寿命が12~15才の中、プースケ君は26才9ヶ月まで生き、最後は老衰で亡くなりました。

ミックス犬には、純血種の常識は通用しないということが分かる出来事です。

ミックス犬の組み合わせは数え切れないほどありますが、メリットやデメリットがそれぞれあることをお分かりいただけたはずです。

いかがだったでしょうか?

今回は、『ミックス犬のメリット・デメリット』をテーマにお話させていただきました。

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