犬の歯の矯正について『歯並び、抜歯、生え変わり』

芸能人は歯が命』なんて言われたりしますが、芸能人でなくても歯の並び一つで、大きく印象を変えることもあります。

また、印象だけではなく、噛み合わせによって肩こり、頭痛の原因になってしまうこともあるため、噛み合わせが悪いと感じたら、早めに的確な評価・矯正が重要になります。

実は、人間だけでなく動物にも歯並びの良し悪しがあることをご存じでしょうか?

歯並びが悪いだけではなく、餌を食べるときに上手く噛めていない子や、歯が当たって痛みを生じている場合もあります。

そこで、今回は【犬の歯並び、犬の歯の矯正】についてお話していきたいと思います。

不正咬合(ふせいこうごう)って何?

不正咬合(ふせいこうごう)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

犬の歯は、乳歯が28本、永久歯が42本生えます。

犬の場合は、生後4~5ヶ月齢頃から永久歯が生えてくるのですが、犬歯は乳歯と永久歯が同時に生えてしまう期間があります。

この期間は、たった1週間~2週間程度です。

また、切歯と臼歯には乳歯と永久歯が同時に生える期間がほとんどないので、覚えておきましょう。

不正咬合とは、生えてきた歯の並びが悪く、上下の歯が上手く噛み合っていない状態をいいます。

遺伝、生まれつき顎の長さなどが悪い、左右が非対称、固いものを噛んでいないなどが原因となっていることが多く、不正咬合を放っておくと、歯周病をはじめとするさらなる口腔トラブルになる可能性が高くなってしまいまい、最悪の場合は骨折口鼻瘻管(こうびろうかん)になることもあります。

 

通常は、下記のように綺麗な歯並びとなっています。▼

犬 歯

実は、大型犬よりも小型犬の方がより口腔トラブルになりやすいと言われており、小型犬を飼っている方は、子犬から成犬になるまでしっかりと口腔環境の確認とケアをしてあげる必要があります。

犬のデンタルケアについて

 

下記は、不正咬合の症例です。▼

犬歯②

不正咬合には、特徴によりいくつか種類があります。

①クラス1:クロスバイト
↳一部の歯並びが悪い状態を指します。比較的軽症の場合が多いですが、見過ごされることも多いので、注意が必要です。

②クラス2:オーバーバイト
↳上顎から生えている歯が下の歯よりも前方にある場合を指します。いわゆる『出っ歯』のようなもので、ひどい場合には下の歯が口蓋などを傷つけてしまうこともあります。

③クラス3:アンダーバイト
↳アンダーバイトは、オーバーバイトの反対の下顎から生えている歯が、上の歯よりも前方にあることを指します。いわゆる『しゃくれ』のような状態です。

④クラス4:ライバイト
↳ライバイトは、崩れた噛み合わせという意味で、顎のズレなどが原因で、歯の並びが左右非対称の状態を指します。

 

乳歯遺残(にゅうしいざん)って何?

乳歯遺残(にゅうしいざん)とは、通常、乳歯➜永久歯と生え変わるところが、永久歯が生えても乳歯がいつまでも口腔内に残存する状態を指します。

乳歯遺残になってしまうと、口腔バランスが悪化し、不正咬合になってしまうこともあります。

永久歯が生えてきて、2週間以上乳歯が残存すると乳歯遺残とされ、小型犬でしばしば見受けられます。

犬歯③

 

乳歯遺残・不正咬合の治療について

乳歯遺残や不正咬合になると、基本的には治療が必要になります。

というのも、小型犬をはじめ犬は歯周病にかかりやすく、また口腔環境を悪化させることは寿命を縮める可能性が高いからです。

そのため、乳歯遺残や不正咬合がある場合は、早期発見・早期治療が基本になります。

 

乳歯遺残の場合:乳歯遺残がある場合ですが、乳歯は約生後8週齢にすべて生え揃うとされていますので、すべての乳歯が生えそろったタイミングで、噛み合わせが悪くないか、口腔内が傷ついていないか、顎の長さや位置が適切か、などを獣医により評価してもらいます。

もし、その時点で適切な角度や位置に乳歯が生えていない場合は、抜歯による治療がされます。(永久歯の生え方が悪くなる可能性があるため)

もし、約生後8週齢時点で問題がなければ、生後4~6ヶ月齢にもう一度口腔内を評価してもらい、乳歯遺残があれば、抜歯が適用されます

 

不正咬合の場合もし、乳歯から永久歯に生え変わり、永久歯が生えそろった後に著しい不正咬合があった場合は、歯列矯正が適用される場合があります▼

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犬矯正②

使われる歯列矯正器具は、インクラインプレイン、咬翼装置、インクラインキャップ、リンガルボタン、テンションバンド、など症例により様々です。

『そこまでする必要があるのか』と思われる方もいるかもしれませんが、犬にとって噛み合わせはとても重要で、特に小型犬が歯周病にかかりやすいことを考えると、早い段階で不正咬合は治療しておかなければなりません。

また、どこの動物病院でも不正咬合を治療できるわけではありませんので、事前に不正咬合や乳歯残存の治療に明るい動物病院を見つけておく必要があります

 

歯が抜けた場合乳歯遺残や不正咬合と並ぶ口腔内トラブルで、”歯が抜けてしまう”ことがたまにあります。『引っ張り合いっこ』や『硬い物を噛んだ』ことにより歯が抜けてしまった場合は、人間と同じようにブリッヂが適用されることが多いです。

犬 義歯

その際使われる素材は、セラミック、ジルコニア、パラジウム、エステニアなどで素材により費用が異なります。

 

家族の一員である愛犬のお口の健康を守ることは飼い主の大切な役目ですので、しっかりとデンタルケアをしてあげましょう。

今回は、【犬の歯並び、犬の歯の矯正】についてお話しました。

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