動物界の中で犬は「イヌ科」に分類されるのですが、犬の先祖はオオカミだと一度は耳にしたことはありませんか?

オオカミも「イヌ科」に属していますが、今では犬とオオカミは全く別の生き物として認知されています。

犬のルーツや分類についてはいくつか諸説もあり、現在も調査が行われていますが、今回は「犬とオオカミの違い」そして、「狼犬(ウルフドッグ)」にスポットを当てて、ご紹介していきたいと思います。




犬の先祖は狼(オオカミ)ってホント?

犬の先祖は、一説によると3万3000~1万5000年ほど前に、人の周辺に住みつくオオカミのなかから現れたといわれています。

犬の先祖にとって人のそばで生活することは、他の野生動物から身を守ることになり、また簡単に食料(人の食べ残し)にありつけるというメリットがありました。

こうしてオオカミの凶暴な部分が次第になくなり、人に懐く犬のような動物になっていったのだろうと考えられています。

また犬は、性的に完全に成熟した動物に要請や容態の性質が残る現象である「ネオテニー」として進化したので、成長しても子犬らしさを残しているとされます。

これは、犬の祖先が「子犬のような振る舞まいは人から餌をもらえたり、可愛がってもらうことができる」と学んだ結果かもしれませんね。

 

犬とオオカミの違いって何?

では、犬とオオカミを比べてみて違うことは一体何でしょうか?

実は同じような動物でも、その性格や習性は全く異なります。

例えば、

犬は人を怖がったりせずに、その犬によっては初めて会う人でも戯れたり遊んだりすることもあります。

また、初めての場所に連れていった場合、怖がるというよりは探究心・冒険心をくすぐり、どんどん自分から奥に進んでいくことも少なくありません。

しかし、野生で生きるオオカミをはじめとした「イヌ科」の動物たちは、自然界で生き抜くために非常に警戒心が強く、初めての場所や物、人など不信感があるものには近づきません。

このように同じ「イヌ科」の動物でも、その行動は全く異なるのです。

他にも、下記のような違いがあります。

ジェスチャーへの反応

アメリカの大学で行われた調査によると、犬は人が指をさした方向にある隠されたおやつを選ぶことができるが、狼にはできないという結果が出ています。

犬は、好奇心や探究心が強い動物なので、人間のジェスチャーに対して「何だろう?」と興味があるのに対して、オオカミはジェスチャーに対して興味があったとしても警戒心が勝っているのかもしれませんね。

 

吠える習性

犬は、幼い頃から成犬になってもよく吠えたり、鳴きますよね。

これは、はじめの方で説明した「ネオテニー(性的に完全に成熟した動物に要請や容態の性質が残る現象)」の影響が関係しているとされます。

オオカミは、遠吠えするイメージがありませんか?

実は、オオカミは成長するとほとんど吠えることがありません。

他の群れに対して自分たちの縄張りを主張するために遠吠えすることはありますが、実はこの遠吠えも滅多にありません。

犬とオオカミの意外な違いは、吠える頻度の違いなんです。

 

方向感覚の違い

広い縄張りの中で狩りをして獲物を得ているオオカミは、方向感覚や空間認知能力に優れているといわれています。

自分がどこから来て獲物がどこに向かっているか、どう動けば獲物を捕まえられるか、といったことがわからなければ、生きていくことができないからです。

オオカミは生まれながらにしてのハンターなのです。

一方、食べ物は人間から与えられ、狩りが必要がなくなった犬は、オオカミに比べてとても方向音痴です。

首輪に迷子札がかかっている犬を一度は見かけたことがあるはずです。

家から離れた見知らぬ場所だと迷ってしまうこともしばしば。。。

 

問題解決能力

ハンガリーの大学の研究者が行った調査によると、オオカミはフタが開かないおやつ入りの容器を渡されると、何とか自力で開けようとしますが、犬は実験者と容器を交互に見つめて人に頼ろうとする行動をとったそうです。

犬は、人との視線によるコミュニケーションが上手で、意思疎通を図ろうとしたのかもしれませんね。

やはり、これもオオカミと犬の大きな修正の違いといえそうです。

 

狼犬(ウルフドッグ)は隠れた人気犬種だった?

皆さんは、「狼犬(ウルフドッグ)」という言葉を耳にしたことはありますか?

ウルフドッグは、その名の通り「狼(ウルフ)+犬(ドッグ)」、つまり、狼と犬を掛け合わせた犬種です。

上記の写真はウルフドッグですが、パッと見た感じは狼ですが、よく見るとどことなく犬の風貌が残っていますよね。

最近では、狼犬は大型犬種のひとつとして認知されてきました。

正式にハスキー、シェパードなどの犬種と家畜化されたオオカミとを交配したものをこう呼ぶ(ウルフハイブリッドとも)。

オオカミの血が75%以上のものをハイパーセントと呼び、外見がオオカミにより近いために好まれる傾向にある。
なお、便宜上は犬種という呼称を使用するが、日本で犬種認定や犬籍登録を行うジャパンケネルクラブで純血犬種として認められるのはFCI公認犬種である「サーロス・ウルフホンド」及び「チェコスロバキアン・ウルフドッグ」であり、日本で一般的に見られるウルフドッグはアラスカやカナダから輸入された交雑種であるため、正式には犬種としては認められない。

このように少しずつですが、正式な認知が固まりつつあるようです!

最後に、ウルフドッグを飼うために知っておかなければならないポイントをご紹介しておきたいと思います。

ウルフドッグの飼育は非常に難しく、一般の方にはなかなか飼育が困難だといわれています。

なぜ、飼育が難しいかというと、

一つ目は、しつけの難易度が非常に高いことです。

ウルフドッグの知能は非常に高いですが、独立性が強く、ブリーダーやトレーナーとして熟練した者でなければ、完全にしつけることはできないと言われるほどです。

二つ目は、ウルフドッグを飼育できる環境を整えるのが難しいということです。

ウルフドッグの飼育に必要な面積は1頭当たり30m2以上、理想的な運動量は1日2 – 3時間以上とされます。

また、跳躍力が非常に高く個体によっては2 – 3m程度の柵を軽々と飛び越える場合もあります。

飼育に当たっては充分な敷地面積と設備があること、飼育者自身が飼育に時間を割けることが最低条件となっているので、ウルフドッグを実際に飼育できる人は少ないのが現状です。

いかがだったでしょうか?

今回は、犬のルーツ(オオカミとの関係)のお話、犬とオオカミの違い、狼犬(ウルフドッグ)についてご紹介させていただきました。

実は、私も次に犬を飼うときはウルフドッグを飼ってみたいという願望があるのですが、果たして叶うのでしょうか。笑

いつか皆さんにご報告させていただくこともあるかもしれませんので、お楽しみに!

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