犬の床ずれ予防と寝たきりの世話方法について

前回は、『シニア犬に必要な食事の工夫と効果的なサプリメント(栄養)とは?』をテーマにお話させていただきました。

今回も、シニア犬についてのお話をしようと思います。

床ずれ』っていう言葉を耳にしたことはありますか?

床ずれは、褥瘡(じょくそう)とも呼ばれ、長時間同じ姿勢でいることにより、皮膚の一部が壊死した状態をいいます。

これは、人間でも同様で寝たきりの高齢者などに起こりやすく、寝床と接している部分の皮膚に体の重みがかかり圧迫されることが主な原因となります。

実際、愛犬が年を重ね、最後寝たきりに近い状態になりお世話をした経験がある方はお分かりになると思いますが、寝たきり犬の世話や床ずれのケアは大変です。

知識や経験があれば難しいものでもありませんが、生涯、寝たきり犬をお世話する機会はそうありません。

そこで、今回は【犬の床ずれ予防と寝たきりの世話方法】をテーマにお話ししたいと思います。




床ずれの進行と寝床を作るポイントとは?

まずは、床ずれの進行と寝床を作るポイントについてみていきましょう。

床ずれの進行度合い
進行度➀:毛が折れたり、薄くなったりする

↳寝床に当たっている部分の毛が、折れたり切れたりしてきます。

 

進行度②:皮膚が赤みを帯びる(発赤)

↳毛がすれてきている部分の皮膚が赤みを帯びてきます。

 

進行度③:水ぶくれができる

↳皮膚が薄くなって水ぶくれができ、触ると破れることがあります。

 

進行度④:皮膚が破れ、浸出液(しんしゅつえき)という体液がでる

↳皮膚が破れ、浸出液が出てきますが、ひどい場合は骨が見える場合もあります。

床ずれは、基本的には上のような順序で進行していきます。

そして、床ずれで最も頭に入れておかなければならないことがあります。

それは、

床ずれはあっという間に悪化する反面、治るまでには相当な時間を要する

ということです。

そのため、床ずれの兆候が少しでも出たら、獣医師の指示のもと、家庭でのケア・治療をおかなければなりません。

では、次に寝床を作るポイントについてみていきましょう。

愛犬が寝たきりになってしまったら、真っ先に床ずれ対策について考えなければならないことはお分かりいただけたかと思いますが、床ずれ対策は適切な寝床作りが大きなポイントになります。

寝床作りのポイント

気泡シートや低反発マットを使用する

↳床ずれのリスクを減らす方法としては、マットを変えることが有効です。

例えば、梱包材として使われる気泡シートを何枚か重ねて、寝床とシートの間に挟む方法ですが、寝床が柔らかくなり、皮膚の圧迫を防ぐことができます。

また、少し前に流行った低反発マットを愛犬の寝床に使用する、という方法もあります。

低反発マットは、体圧を分散させ、床ずれを防ぐのに有効です。

ただし、愛犬が自分で寝返りしようとした際には、その力を吸収してしまい、かえって愛犬の体力を使ってしまうというデメリットもあるので、注意が必要です。

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粘着性伸縮包帯を活用する

↳粘着性伸縮包帯は、インターネットや店舗でも簡単に購入することができます。

寝たきりになっても、足が動かせると床で足をこすったり、両足の爪どうしをひっかけたりして傷を作りがちです。

愛犬の足に靴下を履かせるということが最も簡単ですが、粘着性伸縮包帯を足に巻いて、擦り傷ができないよう工夫することがおすすめです。

また、排泄物がしっぽやお尻につく度に、お掃除してあげるのは飼い主さんにとって本当に大変です。

そんなときも粘着性伸縮包帯をしっぽに巻いてあげることで、しっぽが排泄物で汚れたら、粘着性伸縮包帯を取り換えるだけで済むので、おすすめです。

%e7%b2%98%e7%9d%80%e6%80%a7%e4%bc%b8%e7%b8%ae%e5%8c%85%e5%b8%af粘着性伸縮包帯

愛犬が寝たきりになってしまった際の床ずれ対策として、上記の2つのポイントを意識して取り組むだけでも、床ずれ予防効果は期待できます。

ただし、最も大切なことは、床ずれの兆候が少しでも表れた場合は、まずは獣医師に診てもらうことなので、獣医師と相談しながら治療・ケアしてあげましょう。

では、寝たきりになってしまった犬のお世話はどのようにすればよいのでしょうか?

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寝たきり犬のお世話の仕方は?

寝たきりになってしまった犬のお世話で最も大切なのは『体位変換』です。

どれだけやわらかい寝床を用意しても、ずっと同じ姿勢で寝かせていれば床ずれができてしまいます。

そこで、必ずしなければならないのが体位変換なのですが、ここでいう体位変換は『寝返り』です。

知識が無い飼い主さんの場合、愛犬を寝返りさせるときに寝かせたまま手足を持って回転させる人が多いですが、この方法はNGです。

犬を寝返りさせるときは、一度抱き上げて、上体を起こして、反対側を向かせましょう。

寝かせたまま体を回転させると、重力の働きで正常な位置に収まっている内臓の位置がずれてしまいますし、寝たきりの犬にとって非常に大きな負担になってしまいます。

寝かせたまま体を回転させると、内臓の位置が変わってしまうだけでなく、食道に溜まっていたものが逆流し、最悪の場合は気管に入って窒息する恐れがありますので、寝返りは必ず一度起こして行うようにしましょう。

寝返りの介助手順
➀犬の肩と腰の下に手を差し入れ、抱き上げます。

②お尻を一度ひざの上に乗せ、後ろ足が開かないように手で押さえます。

③犬のお尻を寝床に置き、反対の向きにそっと寝かせます。

④前足、後ろ足ともに重なり具合などを見て、圧迫されている部位がないかを確認します。

⑤もし、床ずれの部分が床や足に当たっていたら、気泡シートを敷いて除圧(圧を逃がす)してあげます。

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床ずれができやすい部位とは?

では、最後に床ずれができやすい部位についてご説明したいと思います。

床ずれは体のほとんどの部位にできることはあるですが、床ずれのできやすい部位というのがあります。

床ずれのできやすい部位では、骨の出っ張っているところや肌と寝床がずれるところが、床ずれのできやすい部位といえます。

床ずれのできやすい部位を分かりやすく画像にしましたので、ご覧ください。

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上記のように、床ずれができやすい部位というのはあらかじめ分かっているので、その部分の除圧は特に気をつけなければなりません。

床ずれは進行するのが本当に早いので、『少し毛が薄くなっている部位があるな』と思っていると、その数日後には水ぶくれができ、1週間後には本格的な床ずれになっている、ということは珍しくありません。

そのため、愛犬が寝たきりになった場合は、常に介護してあげるキーパーソンが必要になります。

もし、何年後か先に愛犬が寝たきりになっても、少しでも長い時間、いっしょにいられるためにもサポートしてあげましょうね。

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いかがだったでしょうか?

今回は、【犬の床ずれ予防と寝たきりの世話方法について】をテーマにお話しさせていただきました。


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