諦めないで!犬がなりやすい癌(がん)の種類と特徴、最新の治療法とは?

年々、日本人の寿命が伸びていることは広く知られていますが、犬社会でも同様に高齢化が進んでいます。

7歳以上の犬をシニア犬と呼びますが、10歳以上の犬の約半数はある病気で亡くなっています。

タイトルにもありますが、それは癌(がん)なのです。

私も10年前にシーズーを亡くしましたが、やはり癌が原因でした。。。

今でも思い出すことがありますが、亡くなって気持ちも少し落ち着いた頃から、色々癌について調べ、与える食事、運動、犬種の違いなどが癌に関係していることを知りました。

今日、このページを見られている方は、

愛犬が癌かもしれない。
癌と診断されたけど余命どれぐらいあるのか知りたい。
犬がかかりやすい癌を知りたい。

という方が多いと思います。

そこで今回は、そんな方のために【諦めないで!犬がなりやすい癌(がん)の種類と特徴、最新の治療法とは?】をテーマにお話させていただきたいと思います。

この記事をご覧になることで、下記のことが期待できます。

✔︎犬の癌の基礎知識を身につけられる
✔︎犬がなりやすい癌の種類を知ることができる
✔︎現在行われている治療法や最新治療の情報を手にいれることができる

ぜひ、ご参考にしてください。




☑️犬の「癌(がん)」って何?

がんは悪性腫瘍と呼ばれ、自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団(腫瘍)のなかで周囲の組織に浸潤し、または転移を起こす腫瘍である。

悪性腫瘍のほとんどは無治療のままだと全身に転移し、重症化すると死に至ります。

がん組織は、他の正常組織が摂取しようとする栄養を取ってしまい、その栄養を元に増殖するので、がんに侵されてしまうと体重が落ちる傾向にあります。

腫瘍は、転移することがない「良性腫瘍」と周囲の正常組織を巻き込んで急速に増殖し転移する「悪性腫瘍」に分けられます。

悪性腫瘍には「」「肉腫」のほか「リンパ種」「肥満細胞腫」などがあります。

腫瘍(=がん)と聞くと、高齢犬がなるイメージがありますが、実は若くても腫瘍を患ってしまう場合があります。

 

☑️「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の違いは?

先ほども少し触れましたが、腫瘍は、生体の細胞の遺伝子に異常がおきて、正常にコントロールできなくなり自律的に増殖するようになったものです。

良性腫瘍…悪性腫瘍と同様、自律性増殖を有していますが、「浸潤と転移」「悪液質」を起こすことがない腫瘍を指します。

悪性腫瘍…腫瘍の中でも、正常組織との間に明確な境界線がなく、浸潤性を持って、増殖・転移するなど悪性を示すもののことを指します。

「悪性腫瘍」と「良性腫瘍」の見分け方ですが、残念ながら見た目だけでは腫瘍の判別をすることはできません。

では、どうやって判別するのかというと、腫瘍の一部を採取して顕微鏡などで詳しく検査することにより診断が可能です。

『皮膚から赤く飛び出していて悪性腫瘍のように見えても、実際に検査すると良性腫瘍だった。』

ということもあるぐらいで、ベテランの獣医師でも見た目では判別することは難しいと言われています。

では、犬がなりやすい癌の種類についてご紹介したいと思います。

 

☑️犬がなりやすい癌(がん)の種類は?

「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」の違いについてある程度イメージできたかと思います。

では、次に特に犬がなりやすい腫瘍についてご紹介していきたいと思います。

✔︎肥満細胞種

肥満細胞腫は、3~4才という若い年齢で発症するケースもあり、「良性腫瘍」「悪性腫瘍」のどちらの可能性もある腫瘍です。

犬の皮膚にできる悪性腫瘍の約20%を占めており、好発部位の範囲は広く、頭の先から尻尾の先までほとんどの範囲でできる可能性があります。

犬の肥満細胞腫は、イボのようなしこり、腫れ、虫刺されのようなもの、脂肪のようなやわらかい塊など症状はさまざまで「偉大なる詐欺師」と別名がある腫瘍です。

色や大きさ、形などが一様ではなく、見た目だけでは決して判断できない腫瘍です。

また、皮膚だけではなく消化管などにできるケースもあるので注意が必要です。

肥満脂肪腫に注意が必要な犬種は、

ボストン・テリア、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバー、ジャック・ラッセル・テリア、パグなど。

 

✔︎乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は「良性腫瘍」「悪性腫瘍」がそれぞれある腫瘍です。

悪性腫瘍は、転移が早い悪性度の高いタイプとそうでないタイプに分かれます。

この乳腺腫瘍は、人間でいうところの「乳がん」にあたり、発症にはホルモンが深く関係しているとされ、もしメス犬の避妊手術をする場合は、早い時期に避妊手術を行うことで発症率を下げることができます。

乳腺腫瘍の発生率に関しては、避妊手術をしている場合とそうでない場合とでは約7倍の差があり、初回発情前に避妊手術を行った場合の発生率は1%以下まで下がると言われています。

乳腺腫瘍は、8~10才のシニア犬に発生することが多いですが、若い頃にも発症することがあります。

当然、乳腺腫瘍の発症は大半がメスに多いですが、稀にオスでもなることがありますので、乳房周辺~お腹までの範囲にしこりが内科などの確認をすることで早期発見につながります。

乳腺腫瘍になりやすいのは、

避妊手術をしていないメス

です。

 

✔︎メラノーマ(悪性黒色腫)

メラノサイトは、メラニン色素口内を作る細胞のことで、メラノーマは、そのメラノサイトという細胞にできる腫瘍を指します。

メラノーマは、爪の生え際のほか、皮膚や目の中にもできることがある腫瘍で転移が早く、気づいた頃にはすでに進行していることも珍しくはありません。

人間でいう「皮膚ガン」にあたるメラノーマは、「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」に分かれるのですが、被毛が生えている部分にできるメラノーマは良性腫瘍、口内や爪の生え際にできたメラノーマは悪性腫瘍という傾向が多いようです。

足先を頻繁になめたり、歩き方に異変が出たりすることがあり、口内にできた場合は噛み方がおかしい、口臭やヨダレが出るなどの症状が現れることがあります。

いずれにせよ、早期発見できれば治療の効果も期待できるので、日頃から愛犬の体をよくチェックしてあげる必要があります。

メラノーマになりやすい犬種は特にないのですが、

シニア犬(7才以上の犬)

に多いです。

 

✔︎肛門周囲腺腫

肛門周囲腺腫は、その名の通り肛門の周りにできる腫瘍で、肛門周囲腺という肛門のまわりの腺組織に硬いしこり(腫瘍)ができることが特徴です。

性ホルモンが影響しているとされる腫瘍で、去勢をしていないオスのシニア犬に多い病気です。

犬がしこりを気にしてお尻を舐めたりかいたりすれば、出血や化膿がみられ、潰瘍ができることもあります。

肛門周囲腺腫は良性腫瘍ですが、放って置くと腫瘍が巨大化して膿が出たり手術が難し苦くなる場合もありますし、悪化すれば、排便が困難になることもあります。

また、似たような肛門まわりの腫瘍で肛門周囲腺癌やメスに多いとされる肛門嚢アポクリン腺癌という悪性腫瘍もあり、稀に避妊手術を済ませたメスにも発生することがあります。

肛門周辺にできものや皮膚の盛り上がりを発見した場合は、出来るだけ早く動物病院を受診しましょう。

肛門周囲腺腫になりやすい犬は、

去勢をしていないオス

です。

 

✔︎脂肪腫

脂肪腫は「良性腫瘍」の代表的な腫瘍で、5~6才という若さでなることもあります。

簡単にいうと「皮膚の下にできた脂肪の塊」で、患部の見た目は「できもの」というよりも「皮膚全体が盛り上がっている」といったような状態になります。

お腹、脇、太ももなどに出来ることが多く、良性腫瘍とはいえ、大きくなった腫瘍で歩くことが困難になるケースもあります。

脂肪腫は犬と同様、人間にも出来ることがありますが、必ず切除手術をするわけではなく、経過観察となることも多いですが、進行スピードはそれぞれ異なるので、見つけた場合は獣医の判断を仰ぎましょう。

脂肪種になりやすい犬種としては、

ゴールデン・レトリーバー、ビーグル、シェットランド・シープドッグなど

です。

 

✔︎皮膚組織球腫

皮膚組織球腫は、若い犬に好発する良性腫瘍です。

1~3才の犬に見られることも多く、頭や顔、首、足先によくでき、腫瘍の大きさは1~2mm程度です。

急に大きく腫れて、見た目は赤く虫刺されのような感じに見えることから「ストベリーライク(いちごのような)」と呼ばれることもあります。

通常は、腫瘍を取り出し病理検査に出してから確定診断を出すケースが多いですが、皮膚組織球腫の場合は、腫瘍の一部を生体組織診断に出さなくても、顕微鏡による細胞診で診断がつけられる腫瘍です。

見た目が赤くなる腫瘍なので、見た目は『どうしよう、早く治療してもらわないと。。。』というように焦ってしまいますが、放っておけば自然に治りますので、基本的には投薬することもなく、外科的な手術をすることもありません。

ただ、素人眼には他の腫瘍と判別できないと思いますので、赤いイボのようなものを見つけたら、下手に触ったりせずに、動物病院で診てもらいましょう。

皮膚組織球腫になりやすい犬は、

子犬

のような若い犬です。

 

☑️現在行われている治療・最新治療法とは?

犬がなりやすい癌の種類をご紹介させていただきましたので、次は現在動物病院で行われている治療から最新治療までを簡単にご説明させていただきたいと思いますのでぜひご覧ください。

基本的に、「悪性腫瘍」が見つかった場合の治療法についてご説明させていただきたいと思います。

現在用いられる3大治療としては、

✔︎外科的手術

✔︎放射線治療

✔︎化学療法

で、人間の癌治療と同じ治療法が選択されます。

考え方は、ドクターにより異なりますが、基本的には第一に腫瘍自体を取り除いてしまう「外科的手術」、

次に外科的手術で取りきれなかった目に見えない腫瘍を殺したり、腫瘍自体を小さくする「放射線治療」、

放射線治療が終った後に、がんの増殖を抑えたり、成長を止める、転移している部分の治療をするために「化学治療」が行われます。

ただし、犬の体力や外科的手術ができない状況のときは、放射線治療と化学療法の2本立てで腫瘍の治療が行われる場合があります。

また、外科的手術で腫瘍を綺麗に取り除くことができれば、完治することもあります。

次に最近注目されている最新治療についてご紹介させていただきたいと思います。

✔︎放射線治療

先ほど3大治療で、「放射線治療」をご紹介しましたが、ここでいう放射線治療は少し意味が異なります。

ひと昔前までは、がん細胞は完全にやっつける目的で積極的に放射線治療が選択されていました。

ただ、人間と同様犬の体にかなりの負担を強いるため、現在では「症状の軽減のために」週に1回程度の放射線治療が行われることが増えつつあります。

また、最近では外科的手術中に放射線治療をするなど、放射線治療の新しいカタチが取り入れられるようになりました。

 

✔︎メトロノーム療法

メトロノームは、”テンポを合わせる”などの意味合いがありますが、文字通り、メトロノーム療法は「定期的な投薬治療を行う治療法」です。

今までは、「パルス」と言われるような一度に多くの投薬治療をして、「腫瘍を抑えこむ」という方法が一般的でしたが、メトロノーム療法では「1回の投薬量」をグッと減らす代わりに、毎日または膈日ごとに各家庭で投薬します。

「家で治療してあげたい」「病院に通うのが難しい」と言ったケースの場合に用いられることがあります。

 

✔︎分子標的薬

がんの治療薬というのは、「悪い細胞と同じように良い細胞まで破壊してしまう」というのが一般的に認知されていて、がんを殺すためなら犠牲はやむ無しという考え方がされていました。

ですが、最近は「がん細胞だけを狙い撃ちして攻撃する」分子標的薬の開発・認可がされ始め、犬の癌治療も劇的な進歩を迎えています。

日本においては、犬がなりやすい癌(がん)の種類でもご紹介した「肥満細胞腫」に効果がある分子標的薬の認可(日本で使用可能に)がおり、この薬は「乳腺腫瘍」や「骨肉腫」などにも効果があると言われています。

これから、どんどん分子標的薬の開発・認可がされることを私も期待しています。

 

✔︎免疫細胞療法

免疫細胞療法とは、生まれつき備わっている免疫力を利用する治療法です。

免疫力を高めることで、体内にできた悪性腫瘍や体内に侵入した細菌・ウイルスを攻撃することにより、腫瘍を治療する治療方法です。

免疫細胞療法は、がん治療特有の苦痛を伴わずQOLの改善に繋がる治療法として注目を集めており、世界中で研究が進んでいます。

自己のリンパ球を用いるので、拒絶反応が起こりにくく、副作用が非常に低いとされます。

ただ、新しい治療法なので、その成果例が十分に集まっていないため、研究が盛んに行われています。

<関連記事>
犬の最先端治療/再生医療とは?【岸上獣医科病院】

また、「最新の治療法」と呼べるかどうかはわかりませんが、がん治療に遺伝子検査が用いられることが増えています。

犬の腫瘍における遺伝子検査は、「リンパ腫」や「脂肪細胞腫」、「消化管間質腫瘍」などの悪性腫瘍が見つかった際に行われることが多く、遺伝子検査をすることで「腫瘍の型番」を確定することができます。

腫瘍の型番を確定することで、「◯◯腫瘍には◯◯治療法が的確で効果が高い!」というように、治療方法を的確に決められるという大きなメリットがあります。

このように、人間に対する治療法だけでなく、犬(犬だけではなく動物全般)に対しての治療法も日々進歩しています。

愛犬が癌(がん)と診断されてしまった。。。

もう高齢だし、健康面が心配。。。

癌(がん)を早期発見するにはどうしたらいいんだろう?

と不安を抱えている方は非常に多いと思います。

初めにも言ったように、10才以上の高齢犬の約半数はがんで亡くなります。

最後に、「腫瘍の早期発見」についてお話ししておきます。

年を重ねるごとになりやすい癌は、「口内の腫瘍」です。

犬のデンタルケアでもご紹介していますが、できるだけ丁寧に歯を磨いてあげると同時に、頬の内側や歯茎、舌などをよく観察してあげて、不自然なできものが無いかをチェックしてあげましょう。

<関連記事>
犬のデンタルケアと歯磨き(ブラッシング)方法について

また、日頃からブラッシングのときや遊んであげるときでも良いので、全身を触ってあげ「イボ」や「できもの」が無いかをチェックしてあげましょう。

もし、小さな「イボ」だったとしても、『ただのイボだろうな~。』と決めつけしまうのは危険です。

稀に、肥満細胞腫などの悪性腫瘍である場合もあります。

ただ、小さすぎるイボは検査ができないこともありますので、指の先で触れるぐらい(2~3mm以上程度)であれば、一度動物病院で相談してみることをオススメします。

先日、私の親戚が飼っている柴犬(3才)と遊んでいるときに、1cm~2cmぐらいのイボを見つけて、動物病院に行ったのですが、検査してもらった結果「良性」でホッとしました。

親戚にも「若いからといって、悪性じゃないとは限らないよ!」と言ったら、すぐに病院に連れて言っていました。

結果的に、『イボにメスを入れて、中を綺麗にする』という治療が選択されました。

このように、『良性だと思うけど、念のため。。。』という考え方が、病気の早期発見につながるので、ぜひご参考にしていただければと思います。

いかがだったでしょうか?

今回は、【犬がなりやすい癌(がん)の種類と特徴、最新の治療法とは?】をテーマにお話させていただきました。

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