前回は、『犬がかかりやすいガンと病気予防や早期発見のポイントとは?』をテーマにお話させていただきました。

前回は、病気の中で『ガン』を取り上げましたが、犬の平均寿命が延びていることに起因しているという説もあります。

犬も歳をとると人間同様、体のあらゆる機能が衰えていきます。

足腰の衰えは外から出も見えますが、体の見えない部分にも気を配らなければなりません。

そこで、今回は【犬がかかりやすい循環器・呼吸器・消化器の病気と症状は?】をテーマにお話させていただきたいと思います。




犬がかかりやすい循環器・呼吸器系の病気とは?

肺、気管、心臓、血管は体内に酸素を供給し、二酸化炭素を排出するシステムに関わっています。

一般的なイメージとしては、心臓の病気と肺の病気は、全く異なる症状が出そうですが、実際は心臓の病気でも肺の病気でも同じ症状が出ることがあります。

犬も歳を重ねると気管や血管も老化が進み、空気や血液の通りが悪くなり、心臓の働きや肺の働きそのものが衰えてきます。

気管や血管、弁などの働きが悪くなったり、変形してしまうことが病気につながってしまいます。

また、フードの偏りや運動不足の影響で肥満になっている犬は、肥満という状態で心臓に負担をかけ続けているので、体重管理は必ず徹底するようにしましょう。

循環器・呼吸器の病気で起こる症状

●少し動くだけで息切れする
●散歩や運動を嫌がるようになる
●せきをよくするようになる
●呼吸が速くなる
●苦しそうに息をする
●歯茎を押すとピンク色に戻りにくい

犬がかかりやすい循環器・呼吸器の病気

僧房弁閉鎖不全症
↳僧房弁が組織の老化などのために変形してしまい、弁の働きが落ちてしまう(完全に閉じなくなる)病気です。

弁が完全に閉じなくなることにより、血液が肺へと逆流するため、血液の循環が悪くなり、心臓の肥大や肺のうっ血を引き起こしてしまいます。

僧房弁閉鎖不全症は、特に小型犬に多く、せきや呼吸困難などの症状がみられます。

気管虚脱
↳気管虚脱は、気管が押しつぶされて扁平型になってしまい、空気の通り道が狭くなってしまった結果、上手く呼吸ができなくなる病気です。

息をするのに体力を使っているので、苦しそうにしたり、よくせきをするなどの症状がみられます。

夏場は、体温を下げるために呼吸回数が多くなるため、症状が出やすいので、環境設定をしっかりしてあげる必要があります。

肺水腫
↳肺水腫は、肺の組織の中に水が溜まり、ガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)がうまくできなくなる病気です。

心臓の病気や気管支炎などの影響で起きることがあり、散歩や運動の後せき込む症状から始まり、安静時も浅い呼吸をすることが特徴です。

気管支炎
↳気管支炎は、ウィルスや細菌の感染、異物の誤飲、寄生虫、慢性の心臓病の影響などが原因で、気管支が炎症を起こします。

気管支炎では、せきを何度も繰り返し、その後回復する『喘息発作』と症状がダラダラと続く『慢性気管支炎』があります。

人間であれば、『慢性気管支炎』は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に分類され、喫煙が原因の一つと示唆されています。

室内犬を飼っている飼い主さんは、例え犬であっても受動喫煙の影響が少なからずある、ということを覚えておきましょう。

最近では、煙が出ないタバコなど、健康に配慮した製品が増えてきていますので、そちらに変えるという努力も必要だといえます。

 

犬がかかりやすい消化器系の病気とは?

次に、犬がかかりやすい消化器系の病気ですが、消化器系は、食道・胃・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓などがあります。

歳を重ねていくと、胃や腸などの内臓の動きが鈍くなってくることや消化に必要な酵素の分泌が悪くなることから、消化・呼吸の機能が衰え、胃にガスが溜まりやすくなります。

また、肝臓では体内の毒素を分解して無毒化する働きもしていますが、この働きが廊下で衰えると、毒素を素早く分解できなくなり、全身に影響が出てしまいます。

消化器系の病気で起こる症状

●胃が大きくなり苦しがる
●食欲がなくなり、元気がなくなる
●下痢や嘔吐をする
●オシッコの色がオレンジ色になる

犬がかかりやすい消化器系の病気

膵炎
↳膵炎は、すい臓から分泌される酵素からすい臓自身を守る機能があります。

この機能が失われると、酵素によってすい臓やほかの組織にも障害が起きて、腹膜炎、ショック、脱水などの症状が出現します。

胃拡張症候群
↳胃拡張症候群では、胃の中に食べ物が入っていないのに、胃が大きく拡張することをいいます。

老化にともない消化機能が落ちて胃の中にガスがたまること、胃の弾力が落ちて消化後に胃が元のサイズに戻りにくくなります。

胆泥症(たんでいしょう)
↳胆泥症は、胆のうの中に溜まっている胆汁がドロッとして、粘度が上がってしまう病気です。

軽い場合は、食事療法と内科治療で治療することになりますが、重症化してしまうと命の危険もある怖い病気です。

慢性肝炎
↳慢性肝炎は、肝臓が炎症を起こし、それが慢性化した病気です。

慢性肝炎では、肝臓に炎症が続くことにより、肝臓の機能が低下してしまいます。

初期は、元気がなくなったり、食欲が落ちたりする症状がみられ、悪化するとオシッコがオレンジ色になったり、歯茎や結膜が黄色くなる『黄疸』がみられ、慢性肝炎が進行すると肝硬変になります。

今回、ご紹介した病気は数ある中の一部ですが、犬が比較的よくかかりやすい病気とされています。

子犬を飼い始めるタイミングで、自分が飼う犬種がかかりやすい病気をあらかじめ知っておくことをおすすめします。



いかがだったでしょうか?

今回は、『犬がかかりやすい循環器・呼吸器・消化器の病気と症状は?』をテーマにお話させていただきました。

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